撮影エピソード
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写真集 静謐 2022年 1月発刊
● A5版 (短辺左綴じ) 76ページ
● 画像 全52点
内16点撮影エピソード(和文・英文) 付き
エピソードはこのサイト記載のものと一部重複しています。
¥ 1,300
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2022年カレンダー 8月
<グレイヴィー>
オーブンで焼いたミートローフの肉汁(gravy)を器に採ったら、オレンジ色のきれいな光を放ちました。この器から一匙とって、赤ワインやドミグラソースと一緒に一煮立ちさせると上からかける特製ソースになります。家庭で祝ったささやかなクリスマス用に焼いたものです。gravyは温度が下がると油脂分で白っぽく濁ってしまい、オーブンから出したてほやほやが一番きれいでした。(2020年12月撮影)
2022年カレンダー 6月
<つぼみ>お花がいっぱいの近所のお庭。散歩の足を止めて見とれていたら、庭で手入れをしておられた女主人が花を分けてくださいました。節くれだったゼラニウムの大きな老株から奔放に伸びた花枝は、切り取られた後も大地の滋養をたくましく受け継いでいるようでした。つぼみはぴちぴちふとっていて、園芸店に並んでいる鉢植えのゼラニウムにはない勢いを感じました。(2020年5月撮影)
2022年カレンダー 1月
<飛行機雲>
自宅から歩数分の大学グラウンドです。東雲のきれいな色彩に見とれていると、おりしも飛行機雲が走りました。(2020年9月撮影) ![]()
2021年カレンダー 2月
<おさなご>もっちりかわいらしいほっぺです。ね、さわりたくなるでしょ?「おさなご」にまつわる聖句を探していくと、「イエスにさわっていただこうとして、人々がその幼子たちをみもとに連れてきた」の一節が見つかりました。いえすさま、きっとにっこりほほえまれたと思います。 (2016年3月撮影) ![]()
2021年カレンダー 3月
<モクレン>一輪だけ活けてあったモクレンの花弁がくたっとなりました。二枚の花弁の描く平行線の内側に凛と剣山のように鋭い雄蕊の対比を美しいと感じました。日常の偶然を切り取ったひとコマです。 (2001年3月撮影) ![]()
2021年カレンダー 7月
<順繰りに開くつぼみ>散歩中出会った面白いカタチです。「ふたりはひとりよりもまさっている。ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。」の聖句にふさわしい写真を探したらこれになりました。私たちの日常で、助け合える隣人が与えられるとは何というさいわいでしょう。 (2014年10月撮影) ![]()
2021年カレンダー 8月
<ひよことヒヨコマメ>水にふやかしたヒヨコマメは色も形もひよこそっくりです。ぷっくりふとったひよこの置物は彫り物でmade in Italy。彫り手の愛情を感じます。実際のひよこは意外にも鋭い顔つきをしているので、置物のほうがかわいい表情です。
(2007年8月撮影)![]()
2021年カレンダー 11月
<Fresh from Oven>干いちじく・クランベリー・くるみを思いっきり詰めたずっしり重いパンです。準強力粉を捏ねて、粉をふって焼きます。「神が私の苦しみの地私を実り多い者とされた」の一句は、奴隷に売られた挙句無実の罪で長年の牢獄生活を体験したヨセフが、後年自分の第二子につけた名前「エフライム」に込められた意味だそうです。長い長い時間の後に、過去の苦しみが何十倍もの実を結ぶとは。創世記後半の中で美しい物語の一幕です。涙なしには読めません。 (2020年2月撮影)
2021年カレンダー 12月
<彩り>紅葉シーズンなのに仕事がたて込んで撮影に行けない。それでもきれいな葉っぱをどうしても見たくなり、30分だけ、とカメラを持って飛び出しました。自宅から歩数分の空き地に色とりどりの落葉が散り敷いているのに出会いました。折しも雨の合間、地上はきれいに洗われて薄化粧を施したようでした。葉っぱの裏と表につく水滴の表情が違うのも、面白いです。
(2019年11月撮影)
2020年カレンダー 表紙
<大空のキャンバス>台風一過の晴天、ふらりと信州に旅しました。現地に降り立つなり、輝く大空が目に飛び込みました。クリアなキャンバスに次々と、雲模様。思わず歓声をあげました。まるで鳥や動物が飛翔するようです。自由闊達、縦横無尽。人間が、大空のキャンバスに絵を描けるでしょうか?神様の筆跡(ふであと)に驚嘆。こんなドラマティックな空を見たのは初めてです。のびやかな動きを追って夢中でシャッターを切りました。 (2018年10月撮影)
2020年カレンダー 2月
<羽毛>ダウンコートの縫い目からこぼれ落ちた羽毛ひとひら。拾い上げ見とれるうちに捨てられなくなり、しばらく戸棚にしまっておきました。早春のよく晴れた午後、ブルーのガラス器にそっと入れて、そっと撮影しました。羽毛は息がかかっただけでふんわりと動いてしまいますから。 (2018年2月撮影)
2020年カレンダー 7月
<ゼリー一匙>さくらんぼの透明なゼリーです。一匙掬ったら、打ち寄せる波のような流れができました。面白い、と思ってカメラを取り出しました。想定外のシャッターチャンスでした。まさか食べかけのゼリーが被写体になろうとは。 (2017年7月撮影)
2020年カレンダー 8月
<オクラ>大きめのオクラ、カットした切り口がみごとな梅文様。自然には美しい秩序があふれています。 (2004年8月撮影)
2021年カレンダー 1月
<キャベツ畑>小海線沿線、JR最高地点の碑が立つ野辺山高原は、11月初旬にして早朝は凍りつくような氷点下でした。手足がしびれる寒さの中を足早に歩くと、冬ざれたキャベツ畑に出会いました。ぽつぽつ残ったキャベツが霜化粧。いちめん、白いぎざぎざにおおわれて細工物のようです。1時間ほどしてお日様が出ると、霜は融けて、ふつうのキャベツ畑に戻ってしまいました。(2018年11月撮影)。
2019年カレンダー 1月
<朝>2日2晩雨が降り続いた翌朝です。日差しが増すと共に、地からも樹木からも、一斉に蒸気がたちのぼり、やわらかな光に包まれました。普段は特に心を惹かれることもなく通り過ぎてしまう、公園の片隅の木立ちが、この朝は全く違って見えました。( 2005年1月撮影 )
2019年カレンダー 2月
<しくらめん on CD>或る午後、デスク傍のCDにふと目が留まりました。虹色がきれいに輝いていました。ミニしくらめん花を1本摘み取って添えました。このシンプルな美しさに惹かれた時、「学んで確信したところにとどまっていなさい」というシンプルな聖句が浮かんできました。( 2016年11月撮影 )
2019年カレンダー 4月
<あこがれ>私たちが新緑の逆光に惹かれるのは何故でしょう?順光の時は光の当たった部分がぎらぎらして、影がくっきりと暗く見えます。これに対して逆光の場合は、そのような暗さがなく、モノ全体の内部から優しい光があふれているように見えます。私たちがいつも見ている光と影のありさまとは次元の違った「光」の別世界を垣間見るような気がします。一種の懐しさを伴う光景です。空に向けてファインダーをのぞいたこの時、自分が今撮ろうとしているものは枝でも葉でもなく、心の中の憧れなのだと気づきました。( 2017年4月撮影 ) ![]()
2019年カレンダー 10月
<ほおずき>「これどうやって撮ったの?」とよく聞かれます。何も考えずにひょっこり撮った1枚です。鑑賞用のほおずきの1個を器に入れてテーブルに置いてあったのですが、窓を開けた時、そこに斜光がぱっと当たって、きりりと面白い輪郭線が出ました。ちなみに、器は「横川の釜飯」のお釜です。( 2010年8月撮影 ) ![]()
2018年カレンダー 3月
<ニホンリス>井の頭公園リス園にて。寒い日のアサイチです。膨らませたしっぽが天然コートになっています。このように「かたまって」くれると、中望遠レンズで何とかブレずに撮影できます。かわいいポーズはお祈りしているように見えます。黒目に冬空と樹々が映っています。( 2001年2月撮影 )
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2018年カレンダー 9月
<朝顔の種>知人からいただいた朝顔の種。収穫した鞘付きのまま、というのが嬉しかったです。狭いベランダに植えても沢山の種が残りましたが捨てがたく、テーブルに置いて眺めているうちに、面白い形が見つかりました。中の種はずんぐりむっくり凸凹もあり、なかなかに味があります。半光沢の銅のソーサーの上に置きました。古い皿なので傷が沢山ついていますが、モチーフと不思議にフィットしてくれました。
( 2016年7月撮影 )
2018年カレンダー 10月
<ボーデン湖畔>滅多に出かけることのない海外旅行に参加する機会に恵まれました。湖畔の斜面はぶどう畑が色づいて、日常では見られない爽やかな風景が広がりました。
( 2007年10月撮影 )
2017年カレンダー 6月
<トルコキキョウ>トルコキキョウの花は、正面からというよりむしろ、俯いた「肩」のあたりのつつましくしっとりとした美しさに惹かれます。窓辺の壁際にセッティングすると、ちょうどいい具合に光が差してくれて、撮影することができました。「あなたが心を定めて悟ろうとし、あなたの神の前でへりくだろうと決めたその初めの日から、あなたのことばは聞かれている」というダニエル書の聖句を思った時、自然にこの花の姿を思い出しました。( 2004年9月撮影 )
2017年カレンダー 8月
<たまごとにんにく>辛いことが重なったある夏の日の朝、食事の支度をしながらふと、不満の蓄積で気持ちが硬化しているのに気付き、一寸目を閉じて、「感謝できますように」と祈りました。目を開けた瞬間、その朝何気なくテーブルの上に置いた温泉卵とにんにくを入れた小皿が視界に飛び込んで来ました。ふたつのたまごの接する曲線の美しさに目を見張り、一瞬にして先ほどの不満を忘れてしまいました。短い祈りに思いがけない形でお答えがありました。忘れられない瞬間です。( 2000年8月撮影 )
2017年カレンダー 12月
<ざくろ>灼熱の夏、「敵」のように思われた陽光が、肌寒い晩秋になると恋しい「友達」へ替わる実感があります。そんな秋の或る日、新鮮なざくろが手に入りました。丸のままや割った断面を色々撮影してみましたが、どうもしっくり来ません。最後に粒をばらして窓辺の明るい光の中に置くと、宝石のように輝き出しました。反射が 欲しくて小さな銀食器をいろいろな角度で置いてみて撮影したうちの一枚です。ざくろはその後スケッチも試みましたが、難しくて描ききれませんでした。
( 2013年11月撮影 )
2016年カレンダー 8月
<アサリ貝殻>味噌汁の鍋を洗って貝殻をざるに掬い、捨てようとしたその瞬間、あ、きれい、違った模様だ、と気づいて、 慌てて拾い直しました。夏期休暇中だったので、時間はたっぷり。曇天窓辺の柔らかな光のもとに並べて三脚 を立て、ゆっくり撮影しました。自然界では砂に潜って棲息しているはずのこの貝にこんなに変化に富んだ模様がある なんて、神様の創造の業は不思議です。( 2008年8月撮影 )
2016年カレンダー 10月
<食卓>「あなたがたは、食べるにも、飲むにも、何をするにも、ただ神の栄光を現わすためにしなさい」( I コリント 10:31 )は、その深い意味が解っているとは言えませんが、こうありたいと憧れる聖句の1つです。カレンダ ーにこの聖句を取り上げるにあたり、日本人に一般的な日常のテーブルセッティングで撮影できればと願って いました。ある日料理の上手な友人から赤カブの酢漬けをいただきました。マゼンタ系の赤色は、食卓を楽し く引き立ててくれました。( 2014年10月撮影 )
2016年カレンダー 11月
<ひとつぶのいのち>街中を歩いていたらふわりと白いものが1つ。掌に受けると、種を宿した綿毛でした。そっと両手で包んで、 すぐ家に帰りました。
「きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこのように装ってくださ る…」(マタイ6章)。美しい、天からのプレゼント。( 2009年10月撮影 )